僕がはじめて女川町におじゃましたとき、とっても激しい雨が降っていました。 埃と雨でぐちゃぐちゃになった髪や顔を中学校の軒下で拭いていたら、 校長先生が出てこられ、初対面の僕にこんな話をしてくださったのです。
「これから生徒たちに必要なのは、まず“笑い”、その次に“歌”なんです」と。
翌日の女川町や石巻は、びっくりするほど真っ青な空が広がっていました。 駅前のクリーニング屋さんの店先で、泣き笑いしながら
「みんなが歌える歌が作りたい」
と強く思い、 そしてカウンターの中のおばちゃんに
「また来ます」
と言って、僕が東京に帰ってから 10 ヶ月が経ちました。

僕はこの「空」という歌を、日本中のたくさんの人・・・一人でも多くの人の耳に届くように、 そして一人でも多くの人に歌って貰えるようにしていきたいと思ってますし、それが自分の役目だと思っています。歌はたくさんの人に長く歌ってもらえることが一番大事で、すてきなことだといつも 思ってるし、そして歌った人や作った人の気持ちをずっとつないでいくことが、また違う「だれか」 の新しい瞬間を生み出していけると信じています。あなたが、この「空」という歌を大好きになって くれたのだとしたら、その あなたの大好きな「空」という歌を、だれかにまた、つないでいってく れませんか？みんなで歌ったこの歌を、僕も大事につないでいきます。